写真とECサイト
新型コロナが猛威を振るう昨今。
飲食店を始め、イベント関連や旅行関連企業など、経済的にも大きな打撃となった。
そんな中、ECサイトは売上げ増となり、2020年は17%増の13.7兆円、2021年は10%増の15兆円超と予測がされている
(出典:富士経済)
ECサイト運営していく上で大切な要素がいくつかある。
「商品説明のわかりやすさ」「値段のお得感」「購入までの簡単なプロセス」など。
そういう要素の中で「写真」による訴求力は大きく働いてくる。
イメージ訴求の写真
商品を説明するために、上下左右やあらゆる角度から見た商品写真などがあると、購入を検討している人に対して親切だ。
また説明用ではなく、印象や世界観を訴求するための写真もあるとなお良い。
いわゆるキーとなるイメージ写真だ。こういったイメージ写真は効果的なコピーなどと合わせると訴求力がより強まる。
訴求するべきかは何か
今回はイメージ訴求のための企画写真で、高級ガラス製品のバカラの撮影。
製品の素晴らしさを伝えるのも勿論だが、それ以上に「バカラの世界を凝縮」を表現。かわいいパッケージやイメージカラーの「赤」が、印象的にになるよう、また「動き」のあるエモーショナルな写真を目指してセッティングを進める。
キーカラーとトーンを決める
バカラのパッケージは赤。鮮やかな赤というよりしっとりした落ち着いた真紅といっていい。この色をキーカラーに決定する。この真紅の世界観を印象的にするために、同色の背景紙を使用する。同色という訴求力は非常に効果的である。
またトーンは華美にならないよう、シャドウ部分も効果的に取り入れる、深みのある大人の赤を表現するトーンとする。
背景紙はいろいろなメーカーがあるが、色やサイズが豊富に展開されているスーペリアで選ぶのが良いだろう。
動きのある写真にするために
静物写真の場合、置いて撮るというのが通常。だが静物だからこそ動きの感じられるエモーショナルな写真にしようとした場合、浮遊感だったり風だったりを表現するのは有効である。
そういった物撮りの場合、実際に投げてハイスピードストロボで空中で静止させるように撮ったり、アームや針金で固定するなどいろんな手法があるが、今回はアームと針金で予めセッティングをする。
静物といっても様々なモノがある。
洋服、宝飾品、工業製品、食品など、それぞれどのような世界観で訴求するかは、被写体の持つイメージなどで臨機応変に変えなくては行けない。この撮影を始める前に色々決めていく段階がフォトディレクションである。
デザインの場合クリエイティブディレクションだったりアートディレクションと言われる業務の部分だが、写真の場合はフォトディレクションという。この部分がしっかり出来ていないと良い写真は取れない。フォトディレクションの細かな方法や手法ついてはまたの機会にお話しする。
ちなみにライティングは、半順光と半逆光のストロボ2灯である。
セッティング風景
仕上がりサンプル
まとめ
今回の商品はガラス製品。
ガラスの質感や透明感、光が当たった時のキラメキ感などを確実に収めるのはもちろん、パッケージの赤色が印象的に目に飛び込んでくるよう、同色の赤背景がここで活きてくる。もちろん鮮やかな赤ではなく、真紅のしっとりした雰囲気を残すようなライティングとアンダー気味の露出にしている。
エモーショナルな表現には、パッケージのリボンの浮遊感を出し、またタンブラーも浮かせることで、遊び心のあるストーリーを持たせる。
大人の真紅でしっとりとした印象と、浮遊させる遊び心の対比を、表現した写真に仕上げた。
シャッターを切る以前に、写真の出来栄えは段取りで決まってくる。写真を見なくても段取りで見れば、良い写真が撮れてるかどうかはわかるぐらい、段取りは重要なこと。
是非、しっかり段取りと仕上がりのイメージを具体的に思い浮かべて、いろんな撮影方法をご自身でも試していただきたい。
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